zyasumiの日記

今日から新しい日

湧いて出てくる

私が化粧台代わりにしている白い机の上には

 

その机の色と長さが同じの

横長の鏡と、色々な化粧小物が置いてある。

 

ある日出掛ける用事があり…

その日は、下には碧いデニムのジーンズを履き

 

上にはフワッとした

白地に青い小花柄のブラウスに

 

青緑色の木綿のカーディガンの様な物を

羽織っていた。

 

言わば青系統でコーディネートしていた…

と、言うことになる。

 

ふと、その化粧台の香水の横を見ると

見慣れない茶色い小箱が置いてある。

 

変な例えだが

臍の緒を入れる箱くらいの大きさだった。

 

見覚えのない箱で

しかも、私自身で置いた覚えは無かった。

 

私には子どもの頃から

時々そういう事…つまり

 

まるっきりそこに置いた覚えがないけれど

そこにある…と言うことが

あったりするので

(まるで湧いて出て来たように…。)

 

またそれかな…と思っていた。

 

まぁ、ただ単に置いたことを忘れているだけ…と

周りには思われているだろうけれど…。

 

 

茶色の紙の箱に

英語で小さくCANADA

その上にメープル(植物のかえで)のイラストと

 

その隣には大きく縦にOKの文字

その下にGIFT SHOPと

すべて金色で書いてあった。

 

私は二十歳前(はたちまえ)に

カナダに夏の間だけの短期留学プログラムに

参加したことがあって

 

その時にバンクーバーとバンフに

行ったことがある。

 

その頃は大橋巨泉と言うタレントさんが

カナダでお土産屋さんをやっていて

そこが確かOK SHOPと言った。

 

そして…そこで

お土産を買ったような記憶があるのだった。

(指輪を買ったかどうかは覚えていないけれど。)

 

それでも…不思議な感じがしながら中を開けてみた。

 

そこには白い綿の上に 

私が若い頃流行ったような

 

トルコ石らしき石の付いた

インディアンジュエリーが乗っていた。

 

その頃はインディアンジュエリーが好きで

とりわけトルコ石の付いた物が好きだったし

 

私がお土産に買ったのだろうとは考えていた。

デザインも見覚えがあるような気もするし。

それに私はその指輪に妙に惹かれた。

 

 

 

私はその1週間くらい前

そろそろ寒くなって来たのでトレーナーを

出し始めていた。

 

その中にカナダでお土産として買ってきた

いかにもお土産とわかるような…

 

紫色の、胸に白色でメープルのマークと

CANADAと書いてあるトレーナーを

出したところだったのだ。

 

私は今までこの箱もこの指輪も

見た覚えはなく

 

その証拠に

私のアクセサリーケースの指輪の中では

見たことの無い物だった。

 

ただ…サイズが動かせるタイプの

緩めの物だったので

 

もしかしたら私が私の母親に

お土産で買ってきたのかも知れないと

思ったりもした。

(母は何でもよく取っておく人だった)

 

ただ、今回本当に化粧台に置いた覚えは無いけれど…

 

もしかすると、イタズラ好きのパートナーの

彼の仕業かもしれないとは思っていた。

 

以前、私の実家を取り壊すので

彼も片付けを手伝いに来てくれたことがあるので

 

その中から見つけて大事に取っておいたのかと

思っていた。

 

 

そして…その日のコーディネートに合っていたのと

何かの暗示と言うか因縁のような物を感じて

何となくその指輪をはめて出掛けたのだった。

 

 

 

その後、彼に真偽を正した…と言うか

聞いてみた。

 

すると…化粧台に置いたのは彼だったが

自分(彼)の実家の(彼の)母の遺品が入れてある

缶の中にあったのだと言う。

 

ついこの間、彼は自分の実家の片付けに

出向いていた。

 

そこでこれを見つけ家中の者に聞いたが

誰も心当たりがないと言う。

 

自分や亡き母親の周りで

カナダに行った人なんかいないとも言う。

 

彼としては、母親が持っていたという…

壊れそうではあったけれど母親の形見の

 

金色の指輪を私に渡したくて

探していて出てきたのだと言う。

 

私が感じたのはそれだったのかもしれない。

彼が私に贈ってくれたような気がしたのだ。

 

そして、彼のお母さんからも

贈られたような気がしていた。

 

だから不思議だけれど…

(ウキウキというほどでもないが)気分良く

身に付けて出掛けて行ったのだと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見に覚えが無いけれど